災害時の税情報 その②

          

こんにちは。MSJSサポートです。

前回は、災害時の所得税のお話をしましたが、今回は災害により住宅に被害を受けた場合、法人税、消費税関連のお話をしたいと思います。

災害2

なお、今回記載の税情報も、国税に関する情報になります。

地方税に関しては各市町村により異なりますので、各市町村に確認してくださいね。

 

check!国税と地方税

国税 所得税、法人税、相続税、消費税、酒税など
地方税 地方消費税、住民税、固定資産税など

 

災害により住宅用家屋が被害を受けた場合

住宅ローン等で家屋を新築等した場合、『(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の適用』を受ける事ができますが、災害時の特例があります。

適用期間の特例

災害によって住めなくなった家屋でも、残りの適用年も(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の適用を受ける事ができます。
ただし、敷地を賃貸用、事業用または親族等に無償で貸付けて利用した場合は適用されません。

上記の手続きは、通常の確定申告、年末調整と同じです。

重複適用の特例

被災者生活再建支援法が適用された地域にある家屋が、災害によって住めなくなって一定期間内に新たに家屋を再建した時は、どちらの家屋にも(特定増改築等)住宅借入金等特別控除を適用する事ができます。

重複適用を受ける為の必要書類

  • 災害によって住めなくなった家屋の、り災証明書
  • 災害によって住めなくなった家屋の、登記事項証明書
    (滅失した住宅については、閉鎖登記記録に係る登記事項証明書)

※り災証明書はコピーで大丈夫ですが、登記事項証明書は原本のみです。

 

住宅取得の際の贈与税に関する特例措置

住宅取得の際の贈与税の特例について、災害によって住宅用の家屋に被害を受けた場合には、適用要件が緩和され、特例の適用を受ける事ができます。

 

災害により新築等をした家屋に居住できなかった場合、居住要件が免除され、住宅取得の際の贈与税の特例の適用を受ける事ができます。
※通常の修繕によっては、原状回復が困難な損壊を含みます。

 

 

災害を起因とする事情により、家屋の新築等が取得期限までにできなかったり(※1)、居住期限までに入居できなかった時(※2)には、それぞれの期限が1年延長され、住宅取得の際の贈与税の特例の適用を受ける事ができます。

 

※1:贈与を受けた年の翌年3月15日まで。
※2:贈与を受けた年の翌年12月31日まで。

 

 

check!住宅用の家屋の新築等

住宅の新築、取得または増改築等をまとめて、住宅用の家屋の新築等と言います。

 

財形住宅(年金)貯蓄やジュニアNISAも特例があります

財形住宅(年金)貯蓄やジュニアNISAを行っている方または、生計を一にする親族の方が所有するものが全半壊などの被害を受けた場合、特例があります。

 

財形住宅(年金)貯蓄を払い出す場合、管轄の税務署長から、災害により被害を受けた事による払い出しの確認書の交付を受けて金融機関に提出した場合、その利子等については課税されません。

 

※確認書の交付は災害の起きた日から11ヶ月以内に申請します。

※災害の起きた日から1年以内に払い出しが行われなければなりません。

 

 

管轄の税務署長から、災害により被害を受けた事による払い出しの確認書の交付を受けて金融商品取引業者等(銀行や証券会社など)に提出した場合、それまで生じた所得について所得税等は課税されません。

 

※確認書の交付は災害の起きた日から11ヶ月以内に申請します。

※災害の起きた日から1年以内に金融商品取引業者等に確認書を提出しなければなりません。

 

災害により被害を受けた場合の法人税の特例

災害により生じた損失は、その損失が生じた事業年度の損金額に算出されます。

確定申告や中間申告を行う事で過去に納めた法人税や所得税などが還付される場合があります。

災害損失欠損金の繰戻しによる法人税額の還付

災害のあった日から1年以内に終了する事業年度において、災害損失欠損金額がある場合には、その事業年度開始の日から1年(青色申告の場合は2年)以内に開始した事業年度の法人税額のうち災害損失欠損金額に対応する部分の金額について、還付を請求する事ができます。

災害損失金額がある場合の仮決算の中間申告による所得税額の還付

災害のあった日から6ヶ月を経過する日までに終了する中間期間に生じた災害損失金額がある場合、その中間期間に関する仮決算の中間申告において、その中間期間において課される所得税額で法人税額から控除しきれなかった金額について、その災害損失金額を限度に還付を受ける事ができます。

被災代替資産等の特別償却

特定非常災害の場合、5年を経過するまでの期間内に被災代替資産等(被災した資産の直前の用途と同一の用途に使用するもの)の取得または製造、若しくは建設をして事業の用に供した場合、特別償却をする事ができます。

 

check!災害損失欠損金

法人の所有する棚卸資産や固定資産等について、災害損失の損失金額が利益金額を上回って生じた欠損金額の事です。

 

災害により被害を受けた場合の消費税の特例

簡易課税制度の適用(不適用)に関する特例

簡易課税の強制期間内(2年間)であっても、災害等がやんだ後2ヶ月以内に承認申請することにより、簡易課税の適用又はやめることができます。

 

check!簡易課税

仕入等の消費税額計算を事業種別ごとに売上高の○%と仕入割合を決めて簡単に消費税を算出できる方法。

届出を出したら2年間は簡易課税を続ける必要があります。

※課税売上高が5,000万円以下で、簡易課税選択届出書を事前に提出している場合です。

 

 

今回掲載の制度情報は平成30年4月1日の情報になります。

最新の情報を確認する場合は、お近くの税務署または国税庁のホームページよりご確認くださいね。

 

2回に分けて災害時の税情報のお話をしてきましたが、税金の情報だけではいざという時カバーしきれません。

日頃から防災グッズの準備や、火災保険などで万が一の時の備えはしっかり行っていきましょう。

 

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